とまべっちーの考え事

ホラクラシー組織の学習塾を作ってみたい。

生徒を叱った話  

昨日生徒を叱った。叱るのは苦手だ。教師生活4年間で2回しかない。昨日が2回目だった。

ふつうは叱らなくても状況は改善する。信頼関係が自然と生徒を前向きにさせるからだ。しかしまれに、あまりにも幼すぎて悪癖を直すことができない子がいる。叱る以外に有効な方法がないときは、仕方なく叱ることになる。

昨日の生徒は授業開始から5分もするともうウツラウツラし始める。瞼が重くなって意識が遠のき、何を聞いても上の空になる。授業の前半はほとんどこれで潰れる。後半になると眠気から復活して勉強できるようになる。このパターンが一ヶ月以上続いていた。

本人いわく、苦手教科だから眠くなるのだと言っていた。たしかに定期テストの成績は壊滅状態であり、極端な苦手意識があるのかもしれないと思った。だが、もしそうなら、授業後半には集中して勉強できるのはなぜだろう?

そもそも日常的に睡眠が不足しているのではないかという指摘はずっとしてきた。勉強するための脳の余力がない状態で授業に臨んでいることが問題だと私は認識していた。苦手教科だから眠くなるのだとしても、それが分かっているなら十分に睡眠をとって授業に臨めばいいことだ。授業前に仮眠を取ることも勧めた。

この生徒がゲームを大好きであることは知っていた。本気で熱中している様子も見たことがある。全力で感情エネルギーを投入しているような感じだった。それでなくてもゲームは目が疲れるし、目が疲れるということは脳が疲れるということだ。授業中の眠気とゲームには大きな関係があるに違いない。そのことは再三指摘してきた。

しかし状況は良くならない。眠気と戦うだけの無意味な授業時間がつづく。生徒いわく、仮眠は取っているのだという。ゲームも自制しているという。試験前に親からゲーム禁止令が出されたこともある。それでもウトウトする状態はさほど変わらなかった。

何らかの発達障害があるのではないかと思った。ADHDや読み書き障害のようなものが。あるいは幼少期の虐待やいじめなどのトラウマ体験があり、自己肯定感が致命的に低いことによる極度の恐怖症のようなものがあって、勉強に対して過剰反応してしまうのではないかとも考えた。なかなか答えは出なかった。

ところが、ゲーム禁止令が出ているはずの試験期間中にゲームをしていたことが発覚。彼は嘘をついていた。ただゲームをしたい一心でその場しのぎの嘘をついていたのだ。自分の授業態度や成績の悪さの原因がゲームにあることを否定するために、非常にクリエイティブに言い訳を述べ立ててきたわけだ。ネット用語でいうところの「アクロバティック擁護」である。

生徒の言葉を最大限に尊重してきた結果たいへんな遠回りをしてしまったが、これで問題を完全に解明できた。原因は単なるゲームやり過ぎだった。授業が始まる直前までゲームに熱中しているから、目も脳もくたくたに疲れている。だから授業開始直後に眠くなる。ただそれだけのことだったのだ。

これは大人の依存症とまったく同じである。依存対象を守るためならどんな言い訳でも採用する。いかにも真剣そうな顔でそれを主張する。信用してもらえなければ意味がないので、演技も重要だ。依存はここまで人の言動を支配する。

依存症になる人は精神的な幼稚さをもっている。大人の依存症は深刻で、幼稚という言葉では足りないだろう。「成熟不全」などと呼んだ方がいいと思う。今後成熟する可能性があるとは限らないからだ。
子どもの依存症ならまだ可能性はあるかもしれない。この生徒は実年齢より精神年齢が2,3歳下のように見える。遅れているだけなのか、それとも・・・。

この生徒は自己管理ができていないだけでなく、そんな自堕落な生活を守るために教師を欺こうとしていた。ことは深刻だ。昨日は「大人になれ」と叱りつけたが、それでも本人は変われないかもしれない。その可能性も考えておいたほうがいい。思春期の依存症とその対応について、調べものをする必要がある。

カテゴリ: 教育論

tb: --   コメント: 1

コメント

とてもおもしろくて刺激的な記事ですね
その生徒は私と似てるところもありますし
私も勉強ができなくて親にギャンギャン、ギャンギャン言われてきましたが
結局最後まで出来ませんでした。
現状の情報で私が考えを述べるなら
生徒さんにとってその勉強の重要度がとても低いのだと思います
とまべっちーさんの立場からしても難しいでしょうが
価値観を正してあげるのが解決法なのですかね?
なんにせよ私みたいな外から見ている人間には考えても考えが及ばないことですね。

KKK #- | URL
2018/12/19 23:25 | edit

コメントの投稿

ブログパーツ